★2023年10月 公開
★2023年11月20日追記
★2023年11月27日<香水と物語>追記
★2023年11月30日<香水と物語>追記
★2023年12月1日<香水と物語>追記
★2024年2月1日 サクラ 公開
野草や木の花、庭の花など、香りが漂ってくると、季節を感じます。春は、ニオイスミレやビオラ、フリージア、季節が進むとホオノキや、ユリ、キバナノショウキラン、夏のスイカズラ、クチナシ、秋には庭にも咲くキンモクセイetc。2023年夏はフレグランスにはまりました。テーマになる香りには、フローラルやベリーやオレンジ等木の実、コケや木、樹脂の香りなど、植物由来のテーマが数多くあります。野生や自然の花々の香りを思い出しながら、自分の好きな香りを探していたらすっかり沼にはまりました。だんだんと、書き加えていき、まとめられたらと思っています。(代表的な、ローズ、キンモクセイ(オスマンサス)、バニラが主体の香水は外させていただきます。←分量にもよりますが香りが苦手です。)頭痛がする、酔うなどありますので、合わないと思ったら使用をやめましょう。化学物質はまだまだ人体への影響がわからないものも多いので、このページをご覧になっての使用は自己責任でお願いします。私は10月いっぱいでそろそろ沼から抜け(人体実験は終わりに)たいと思います。
また、香りは用途に応じて選ぶべきと思います。晴れの日やパーティ、職場やオフィス、自宅でのリラックスタイム、スポーツ、睡眠用、婚活妊活用などなど。つける場合はシーンによってマナーを遵守したいものです。(間違えてつけていったら大変な場所や場合もあります。)
おとぎ話に出る魔法使いの魔法は、フレグランスだったのでは、などと思って、想像をしながら実験を楽しみました。
※順不同です。書いてある順番は順位ではないです。
※リンクは張っていませんので、ご自分でググって、調べてみてください^^。
※加筆・修正は随時行っています。ご了承ください。
花と実のフレグランス INDEX
✿日本にも香る植物の仲間
▶ジャスミン<1>:定家蔓(準備中)
▶リリー:百合(予定)
✿近年日本に来た花たち
▶ラベンダー(準備中)
✿シトラスとフルーツ(実)
▶フィグ:無花果(準備中)
▶ペアー:梨(予定)
▶ワイルドベリー:野苺(予定)
✿森や樹脂と苔(予定)
野でこの花に出会った場合、許される場合は香りをかぐことにしていまいます。(道上で側、近くにある場合のみ。植生を荒らすことなく保護を優先しています。)もう長いこと香っていないです。ほんのりと淡い香り。日本のニオイスミレは、姿のとおりの華奢ではかない香りです。
たくさんのビオラを育てていると、中にはやたら香るビオラがいます。えぐみのある香りの強いものもあれば、野生のスミレのように高貴なフレグランスのような香りを放つものもいます。紫色の花の中にそのような香りのするビオラがいます。花がらをつむときにその香りに誘われて、その鉢やリースの前で香りも堪能して癒されています。
スミレの花の香りは、抽出・再現が難しいとききました。古くは葉や茎から香料をとったそうです。
スミレ(ヴァイオレットリーフ)のフレグランスは単体でテーマになっているものが少なく、
ほかの花の香り(多くはイリス)とセットだったりします。それでも、自分が体験した香りに似たものを探して
次々と試していきました。調香師さんの描く香りと、自分が思う香りとマッチするフレグランスはあるでしょうか?
体に合う合わないなどの不都合が出る場合もあり、ある意味人体実験だったなぁと思います。
結果、思った香りの近さは、ゲランのメテオリットのコロコロの香りでした。
パフュームではなく化粧品の方では、はかなく香る感じや本人にしかわからないメイク中の楽しみのようなところも、
野にある小さな花との出会いに似ているように思います。
今回のこの企画では、自分が思った香りとの出会いの難しさ、人によって感覚が違う嗅覚の面白さ、
自分でも体調や季節によっての感覚の違いを知りました。
バイオレットの香りの復元の難しさもあり、テーマ的に万人受けする香りの創作(少なくとも日本ではウケそうですが
→10月から始まっているビオラ苗の爆売れでもわかる通り)とは違うのだろうとか、
写実ではなく、創作であり芸術であるフレグランスの世界・深く広い沼に、しばしつかることになりました。
実際の花の香りは、複雑な化学物質が絡み合っていること、それを今ある許された安全な香料などを使い、
作品に仕上げていくのは想像しただけでも、難しい世界と思います。
🌸 | ヤードレイ ロンドン | エイプリル ヴァイオレット | EDT | イギリス | ||
🌸 | ゲラン | アンソレンス | EDT | フランス | モーリス・ルーセル | 2008年 |
🌸 | フラゴナール | ヴァイオレット | EDP | フランス | ||
🌸 | エスティローダー | プレジャーズ | EDP | アメリカ | アルベルト・モリヤス | 1995年か1996年 |
🌸 | クリスチャン ディオール | ジャドール | EDP | フランス | カリス・ベッカー→フランソワ・ドゥマシー | 1999年 |
✿ | ゲラン | メテオリット ル パルファン | EDT | フランス | ティエリー・ワッサー | 2018年(終了) |
【保有・試香】
🌸ゲラン アンソレンス(試香)
スミレのフレグランスといえば、アンソレンスが有名です。とても賑やかな華やかなフレグランスです。名は日本語で「傲慢」。香水の誕生の後ろにはどんな香りを制作するかの物語や、原料の調達から制作、販売に至るまでの長いお話があることが多く、とても興味がわきます。アンソレンスはにぎやかで中の香りのそれぞれの主張が強いのは意図的だったようで、そのデザインをなるほどすごいなぁと思ったのでした。
トップ:レッドベリー ミドル:アイリス ヴァイオレット ラスト:サンダルウッド トンカビーン
🌸エスティローダー プレジャーズ
ん十年前に、父にもらったフレグランス。時を経ても人気のフレグランスです。様々な花の香りが入った香水。その中にヴァイオレットの表記があることがありますが、主役ではないです。それでもあれば嬉しくてもっと大切なものになります。
トップ:リリー ヴァイオレットリーフ ミドル:ライラック ピオニー ジャスミン ローズ ラスト:サンダルウッド パチョリ
🌸ヤードレイ ロンドン エイプリルヴァイオレット
きれいな薄紫色のフレグランス。紙箱のデザインに「スミレ」があしらわれていて美しいです。香りは野のスミレを連想。草の香りに、野性味ある花の香りが優しく広がります。美しい菫色のフレグランスと紙箱を添えて飾り棚におさめて日々鑑賞しています。
トップ:ヴァイオレット ミドル:ジャスミン テンジクアオイ スズラン ラスト:バニラ ムスク
🌸フラゴナール ヴァイオレット
甘くて、パウダリーな香り。フランスの香水らしい華やかな香り立ちです。
トップ:オレンジ ブラックベリー ミドル:ヴァイオレット ローズ ジャスミン ラスト:ムスク フランボワーズ
🌸クリスチャン デイオール ジャドール
冬になるとつける機会の増えるフレグランス。「大好き」という名前やボトルのデザインも素敵。
トップ:マンダリン アイビー ミドル:オーキッド ローズ ヴァイオレット ラスト:プラム ブラックベリー ムスク アマランス
【未確認】
※もはや販売していないものも含まれます。わずかにアマゾンやメルカリなどで残っていることも。
✿ゲラン メテオリット ル パルファン
メイクの最終仕上げに、メテオリット ビーユをコロコロとしてふわっとフェイスにのせれば、まるで魔法にかかったよう。高貴な香りに包まれ
て。若い頃(20代)に一番大事にしていた化粧品かも。当時のパッケージ(中身も)も大事にとってあります。驚くことに当時の記憶通りの香りが残っています。パルファンの方は、2000年に限定発売されたフレグランスを2018年に再構築したもの。
ノート:アップル ベルガモット カシス ミドル:ヴァイオレット ローズ ミモザ ラスト:ホワイトムスク サンダルウッド
✿グタール ラ バイオレット
ノート:ヴァイオレット ターキッシュローズ ラズベリー ヴァイオレットリーフ
✿ケンゾー フラワー バイ ケンゾー
トップ:クロスグリ サンザシ ローズ マンダリン ミドル:ジャスミン ヴァイオレット ローズ ラスト:バニラ ホワイトムスク インセンス
✿パコ ラバンヌ ウルトラヴァイオレット
トップ:アプリコット コリアンダー ペッパー アーモンド オレンジペッパー ローズウッド ミドル:ジャスミン オスマンサス ヴァイオレット、ローズ ラスト:アンバー パチョリ バニラ シダー
✿マーク ジェイコブス バイオレット
トップ:ベルガモット グリーンアップル キンカン ミドル:リリー マグノリア ヴァイオレット ラスト:パチョリ ムスク バニラ
※全部で3香水ご紹介予定です。
(2023/11/27公開)
<ヴァイオレットが香るクラシック・名香>
🌸ゲラン 夜間飛行(Vol de Nuit ボル ド ニュイ):P EDT 調香師:ジャック・ゲラン 1933年 シプレ
「男性の世界に生きる女性」のために作られたフレグランス。フランスの有名な女性パイロット、エレーヌ・ブーシェにささげられた香り。
ジャック・ゲランの友人で作家のアントワーヌ・ド・サン・テグジュペリの小説『夜間飛行』(1931年)が香水物語の主軸です。(『夜間飛行』は♭な物語。)
パルファン◆トップ:ガルバナム(マンダリン ベルガモット レモン) ミドル:スイセン ジャスミン(アルデハイド アイリス カーネーション ローズ ヴァイオレット)ラスト:アンバー(サンダルウッド イリス オークモス バニラ ムスク)
「グリーン(ガルナバム)でフローラルな香りとともに飛び立ち、スパイスと下草の完璧なバランスを奏でながら空を巡航。夜空に輝く永遠の光を表現。」しているそうです。『夜間飛行』の「雷雲の上の天国を見て星になる」までの物語を香りで表現されています。
ルカ氏は5段階評価の5つ星。
オードトワレ◆トップ:ガルバナム(プチグレン ベルガモット) ミドル:スイセン ジャスミン(カーネーション ローズ ヴァイオレット)ラスト:アンバー(アイリス オークモス バニラ)
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(2023/11/30公開)
<ヴァイオレットが香るクラシック・名香>
🌸ゲラン ルール ブルー(蒼の時:L'HEURE BLEUE):P EDT 調香師:ジャック・ゲラン 1912年 シプレ
ビーナスベルト
星が瞬き始める前の紺色の時
ジャック・ゲラン氏が最愛の妻へささげた香水。エリザベス女王と、カトリーヌ・ドヌーブが愛した香りで、世界中の映画女優やセレブに愛された香り。「嗅覚というキャンバスを使って印象主義の絵画を描くように、調香師のジャック・ゲランは、バイオレットとアイリスの香りにクリーミーで甘いバニラを加えて、フレッシュでありながらも温かみのあるニュアンスを残す魅惑的なフレグランスを創り出しました。アンバリーでフローラルな香りとともに、永遠の愛の物語が紐解かれていきます。」(ゲラン様HPより) 夜が「まだ星を見つけられずにいる時間」とジャック・ゲラン氏が表現した「青の時(ルール ブルー)」。
「マジックアワー」、「薄明」と表現される時間。晴れた日の日没後にやってくるピンクの空、その次に青い時間へとピンクからグラデーションする「ビーナスベルト」や「地球影」は何度見ても感激します。「ブルーモーメント」はまるで青いインクを空に流したような素晴らしい景色。日没後に魅せるドラマは素晴らしいです。やがて星が瞬きはじめ、夜になっていきます。そんな「時」をイメージした芸術作品なのかなと思っています。香水の主役は、アイリスとヴァイオレット。青や紫色の花々の香りです。
パルファン◆トップ:アニスシード ベルガモット(コリアンダー クラリセージ クローブ ネロリ レモン) ミドル:ヴァイオレット ネロリ カーネーション(オーキッド ジャスミン クローブ ヘリオトロープ イランイラン バニラ)ラスト:アイリス バニラ ベンゾイン トンカビーン (サンダルウッド ムスク ベチバー ヴァイオレット)
ルカ氏は5段階評価の5つ星。
オードトワレ◆トップ:アニスシード ベルガモット ミドル:ヴァイオレット ネロリ カーネーション(チュベローズ ローズ)ラスト:アイリス バニラ ベンゾイン トンカビーン
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※ヴァイオレットは入っていませんが、こちらもメモを残したいと思います。
🌸ゲラン ミツコ(Mitsouko):P EDP EDT 調香師:ジャック・ゲラン 1919年 シプレ
「神秘」を意味する名前・「ミツコ」を上手に纏える人は、香水の達人といわれます。この香水の物語は2つあります。
①ジャック・ゲラン氏の友人に、フランスの小説家のクロード・ファレール氏がいました。「ミツコ」は、ファレール氏の小説『ラ・バタイユ』のヒロインの名「ミツコ侯爵夫人」から引用されました。
②もう一つのアイコンに、「クーデンホーフ光子伯爵夫人」があります。ハンガリー帝国の貴族、ハインリッヒ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵と結婚した日本人女性の実話です。
私には、娘時代に読んだ大和和紀氏の「ミツコ」がくっきりと刻み込まれていて、この香水とイコールのイメージとなっています。憧れの香水の1つで、自分が纏うというより所有したい香水でした。
★「シプレーのアコードにピーチのフルーティな香りを組み合わせる」
ピーチ(フルーティ)とパチュリ(ウッディ)を世界で初めて組み合わせた香水。
→「禁断の果実」(ピーチ)との大胆な組み合わせ=強い女性らしさのシンボルに。
★オークモスが2007年に規制され、合成香料で代用されましたが、2013年にティエリー・ワッサー氏により旧来のミツコに近いフレグランスに再調香されたそうです。
★ルカ氏によると、「シプレのお手本」5段階評価の5
パルファン◆
トップ:マンダリン ベルガモット レモン ネロリ ミドル:ライラック ピーチ ジャスミン イランイラン ローズ クローブ ラスト:アンバー シナモン ベチバー オークモス パチョリ シダーウッド ブラックペッパー アンバーグリス ベンゾイン サンダルウッド ミルラ ムスク
オードパルファン◆
トップ:シトラス ジャスミン ベルガモット ローズ ミドル:ライラック ピーチ ジャスミン イランイラン ローズ アイリス ラスト:クローブ アンバー シナモン ベチバー オークモス
オードトワレ◆
トップ:ジャスミン ベルガモット ローズ ミドル:ライラック ピーチ ジャスミン イランイラン ローズ ラスト:スパイス アンバー シナモン ベチバー オークモス
◆2023/12/04
ジャスミン<2>のページを公開しました。ここで一息、次回フレグランス記事公開は2024年春は3月ごろから始動する予定です。
◆2023/12/2
最近のお気に入りは、ユズジャムをアールグレイティに入れて、ブレイクタイムに飲むことです。ユズの香りは、12月の香り。みかんもマーケットに並んで、いよいよ年末、冬本番となってきました。
◆2023/11/20
どんどんと、日が経っていきます。慌てずにマイペースでよい記事をアップできるように、熟成させてから公開していきたいと思います。楽しみをいただけるのはありがたいです。先日おめでたい席があり、メイクから、ネイル、香水にいたるまで何をどうしようかと考えている時間が楽しく、しかし当日はバタバタでした。食事に響かない香水、方々に迷惑にならずエチケットとしてほのかに香る香水(つけ方も工夫)はこんな時に特に便利です。シーンによって付け替える楽しみもあります。自己満足かもしれないのですけれど。
◆2023/11/15
フレグランスと聞いて、よく吟味せずに購入してしまうこと、しばしば。スミレやヴァイオレットと聞いて、はたまた原料は吟味しただの、精油由来だのとうたったものもありますが、多くは期待したものと違ってがっかりすることも。店でテストした香と、家でスプレイしてみたら何か違うぞといった香りも。やはり、フレグランスは超有名ブランドのものがよいようです。美しい香り、芸術品のような香りに立ち戻るとその差が歴然としており、反省しきり。調香師さんの名前で売っているものの中にも合う合わないを感じるものがあるくらいですものね。